ロックンロールはサブカルチャーの夢を見るか

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やってくれたなスピルバーグ!!

 久しぶりのブログなのだが、今回は音楽ではなく映画について書きたい。

昨日から公開されたスピルバーグ監督作品のレディプレイヤー1という作品だ。(原作の名前はゲームウォーズ)

先に結論だけ言うと、まさにタイトルの通りスピルバーグにやられた!!というものだ。最初から最後まで目が離せなかった。

それでは何にやられたのかというとここから先はネタバレになるのでこれから観る予定のある人、ネタバレが嫌いな人はブラウザバックをしてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では書いていこう。

まず最初のOPの選曲だ。まさにスピルバーグの全盛期、そしてポップ、サブカルチャーが目まぐるしく発展していった80年代代表ソングであるJUMPを持ってきた。ロックファン以外も聞いたことあるであろうこの曲は80年代の曲なのだが、あの出だしの音、そして全編にわたって流れるシンセの音はいつまでたっても近未来を感じさせてくれる。今回も例外ではなく、近未来、そして何かが始まる予感を感じさせてくれた。

二つ目にやられたのはスピルバーグの映画・アニメ・ゲーム愛の深さと魅せ方である。近年の映画には時代がそうなったのかわからないがゲームをパロディとして使ったり、アニメ作品などを小ネタで入れるような映画作品が洋邦問わず増えてきた。パシフィックリムもその類に入るであろう。しかしこのレディプレイヤーワンはこういったパロディ作品とはちょっと違うところがある。それが実名・作品名を使ってのオールスター表現というものだ。特にシャイニングのシーンは感動しすぎてまだ終わってもないのに拍手を送りたくなったぐらいだ。この表現の仕方は技術が発展した今だからこそできるものと言えよう。

そして最後の大決戦でのシーン。メカゴジラVSガンダム(設定的にはRX-78)を横目にデロリアンが走り、アイアンジャイアントが暴れ、エドモンド本田やHALOのスパルタンが闘っている・・・もうね、いやほんともうね、サブカルおっさんにはたまらないシーンだったよ。序盤のAKIRA金田バイクVSデロリアンも心でガッツポーズだったがあの最後の快進撃シーンはガッツポーズどころではないぐらい心で興奮していた。

そして三つ目、今回最も個人的にジーンとなってしまった所でもあるが、最後のEDのクレジットで劇中流れた曲と作曲者が流れるところだ。そう、スピルバーグ作品に伊福部昭さんの文字が・・・!ローマ字表記だったが確かにそうだった!あのメカゴジラが出てくるシーンで流れたのは間違いなくゴジラのテーマだったんだ!そう確信できた瞬間であった。特撮を愛し、特撮に憧れたスピルバーグゴジラ作品を自らの監督作品でようやく出せることができ、あまつさえあのゴジラのテーマも流すことができた。そして間接的に伊福部昭さんと共演ができた・・・クレジットが流れているとき一人で泣きそうになってしまった。

 

そして自分の感想だが、

あの最後の全世界のアバターが集まるシーン、もし自分もあの中に混ざっていたとしたら、その時はいったいどんなアバターとなって参加していたのだろうか・・・好きなキャラクターになれるのであれば、やはりそういったキャラになっていたのだろうか。仮面ライダーであったりアプトムであったり、はたまたベルセルクのガッツやデビルメイクライのダンテのようなキャラになっていたのかもしれない。闘いに行くのに好きなキャラを貫き通し、非戦闘的なアバターのまま挑んだ人もいるかもしれない。考えれば考えるほど楽しめる。映画の後も楽しめる最高の作品なのではないかと思う。

冒頭でも語られていたが、これは非現実、アバター内での出来事ばかりだ。現実がつらく、どこかに逃げる場所・安心できる場所・誰にも合わなくてもいい場所などを求め、そしてメインから離れてはいるが文化として成り立ってきた、だからどこまでいっても"サブ"カルチャーだった者たち。そしてそこをよりどころとするメインには立てない僕らのような人たち、そんな僕らのボスでもあり神様でもあるスピルバーグが、それでもやっぱり最後は現実が一番だと、この世界で生きていくことが素晴らしいのだと提示したあの終わり方。若いころの僕なら納得がいかないまま酷評していたと思う。でも時間が経ち、大人になった今ならあのエンディングも許せてしまうものになった。とんがっていたあの頃のミュージシャンが今では前向きな応援歌を作ったり、メディアで優しそうなキャラとしてでてきたりするのと同じく、僕もまた大人になったのだろうと、自分の変化についても実感した良い作品であった。3つの鍵を手に入れ、部屋に入ってからのセリフはスピルバーグ本人の心の声なのではないだろうか。これからも生きていこうと思えるこの作品を僕は今後も忘れることなく、大事な鍵としてしまっておきたい。