あの時、君は若かった
2010年代に入り、 ますますネット文化は加速していく一方であるこのご時世。
僕の感情はこの先さらにネット文化はどうなるのだろうという疑問 と興奮が混ざったわくわく感と、
しかしどうにもできない寂しさとが交互になっている。
何故だろうか?理由は明白だった。
10年以上前の2ch、ニコニコ、 個人サイトのチャットといったあの時代独特の文化をどこかで探し続けているのだ。
今や世界中で誰でも、どんな場所でもネットが使えるこの時代、 僕は確かに便利になったと確信しながら過ごしている。これはとても革命的なことであり、 人類にとってはいいことなのかもしれない。
だが、 誰でも簡単にネットサーフィンができるということは裏を返せば、 今までネットサーフィンをしてこなかったパソコンとは無縁だった人達、 つまりは普通の40代や50代、 さらにそれ以上の方たちであったり、10代の中学生、 小学生にもネットサーフィンができるということだ。
僕はこのような人達を新世代という括りにしている。
新世代があれば旧世代もある。所謂00年代や90年代、 そしてさらに前からパソコンを使っていネットサーフィンをしてい るような人達を旧世代と僕は括っている。
この括りはあくまでもこれからの説明のために括っているだけであ るので、ここ以外では使用していません。
僕自身は90年代後半から00年代の人なのでその頃を主に書いて いくことになるが、90年代はというとパソコンなどは一家に一台というほどまだ普及していなかった時代 である。パソコン買うぐらいならセガサターンだったりを買うような社会人も多かったのでは?
そんな中その頃からパソコンをしている人達は主にネットではあや しいワールドといった掲示板
が主にアングラ界隈として成り立っていた。 他にもこの頃は有名アーティストのファンサイトを誰かが作り、そこにチャットルームのような場を設け、 ファンが交流していたりしていて、そこに本物が登場してチャット上でレスバトルのようなものをしたりなん かもあった時代である。
ある意味今のツイッターでのやり取りの元祖のようなものだ。
そして時代は進み00年代。2chの登場である。
この頃になるといよいよネット社会というものが少し注目され始め てくる。
一般の人にはまだ手が出ないものだが、 2chというアングラなやつらがいるらしいぞぐらいの認識は
パソコンに疎い方たちもしていたのでは?
ここまでの時代、 00年代後半というか行ってしまえば2007年までの中でネット をしてきた人達、
彼ら旧世代にあって新世代にないもの。 それは潜在的なネットにおけるマナーとノリである。
こういったアングラだった時代、 まだどちらかというとネットそのものがマイナーだった時代を
嘘を嘘と(ryという言葉を理解しているのである。 少なくとも見抜けなかったとしてもあとくされない状態で終わることが多い。
それでも今のような重箱をつついて気に入らないものを皆で炎上さ せるなんてものはなかった。
どちらかというと同じネラー同士のおかしなミスなどをネタにし合 っていたぐらいである。
確かに芸能人や一般人が本当にいけないことなどをした場合はみん なで凸をしていたが、そんなちょっとしたミス一つで本人にもわかるようなネット攻撃な どはしなかったのである。
自分も昔はあった。 fusianasanと書きIPが抜かれたり、 sageを書かないでレスをしたら半年ROMれと言われたり。 そういったスレ内のミスをからかいながらも教えることにより、一人一人の2ch内、 はたまたネットをする上での注意することなどを学んできたのだ。
チャットであればそのチャット独自のルール、 ふたばチャンネルであればふたばのルール、これらを学んだ旧世代はやはり今でもネットの使い方はうまいので ある。というか基礎ができている。
あとはやはり旧世代のようなノリがもうできないことに対する悲し みだ。
真剣になって何か一つの大きいバカなことを皆で一丸となってする 。このノリは今ではできないものとなってしまった。いやあできるのかもしれない、 可能性がとても低くなったというほうが正しいかな?
なんせこのようなノリは古い、寒いものとなってしまっている。
今はどちらかというと誰かがバカなことをするのを眺めて写メにす る、動画を取る、それをSNSにあげて自分がバズったりして有名になるというものだ。
確かに時代が変わればノリも変わるかもしれない。 しかしやはり寂しい気持ちがでてきてしまうのだ。
ここまで老害めいたことを連ねていたが、 しかし僕はこれからのさらなるネット社会の発展、そして
でもちょっと、 ほんのちょっとでいいからあの頃のネット文化を思い出してほしい 。今このようにしてネットで楽しめているのは旧世代のような少しおかしな人達の集ま りによってできたものばかりだから。